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HKJCは中国本土にどこまで進出しているのか

沙田とハッピーバレーで知られるHKJCは、この20年で中国本土での存在感を静かに拡大してきた。競馬、会員制クラブ、観光、スポーツ宝くじ技術まで、その足跡を追う。

HKJCは中国本土にどこまで進出しているのか

最も目に見える拠点は従化だ。

HKJCは2018年、広州市従化区の施設をトレーニングセンターとして開設した。その後、競馬、観光、馬産業を結ぶ中国本土の事業拠点へと役割を広げてきた。

広州市当局と構築した枠組みの下、2026年10月には国際水準の定期競走が始まる予定だ。ただし、中国本土向けの馬券商品としてではない。従化は、スポーツ、観光、ホスピタリティ、粤港澳大湾区を結ぶ広範な計画の一部に位置付けられている。

ここにHKJCの対中国本土戦略が表れている。香港の馬券事業を持ち込むのではなく、その周辺のインフラを築くという方法だ。

北京、深圳、会員ネットワーク

従化は中国本土における活動の一部にすぎない。

HKJCは2008年から北京クラブハウスを運営し、その後、会員向けの拠点を深圳へも広げた。

これらは象徴的な事務所ではない。中国本土の会員とビジネス層を対象とした高級プライベートクラブ網であり、香港にあるHKJC施設の利用とも結び付いている。

その配置には明確な意味がある。北京は首都での長期的な足場、深圳は大湾区の商業中心地への接点、従化は広州における競馬・馬事の物理的拠点となる。

三つを合わせると、単なるトレーニングセンターを大きく越えた中国本土の事業基盤が見えてくる。

中国本土は顧客の供給源にもなる

HKJCは中国本土へ進出するだけでなく、本土から香港の競馬場へ観光客を呼び込んでいる。

2024/25年シーズンに香港の競馬場を訪れた中国本土客は約19万6,000人と、前年の2倍超に増えた。

さらに中国旅行社と連携し、ハッピーバレー、沙田、従化を結ぶ競馬観光商品も展開している。

これは双方向のモデルだ。中国本土で競馬・ホスピタリティ資産を築き、それを香港の施設への送客にも活用できる。

中国本土では賭博が厳しく制限されるため、この構造には特に意味がある。戦略の価値は、賭けそのものではなく、観光、娯楽、会員制度、競馬、事業関係といった周辺領域にある。

HKJCの中国本土での足跡は、従化の競馬・調教拠点、北京の会員制施設、深圳の大湾区ネットワーク、そしてスポーツ宝くじに関係する長年の技術合弁事業にまで及ぶ。

見えにくいスポーツ宝くじ技術との接点

HKJCの中国本土事業には、あまり知られていない側面もある。

2009年以来、HKJCは中国体育彩票科技发展有限公司に関係する合弁会社、北京中体骏彩信息技术有限公司へ参画している。

現在の企業情報によると、HKJC Business Development(China)が同社の大半の持ち分を保有し、中国体育彩票科技发展有限公司と中国体育彩票运营管理有限公司も出資している。

事業内容には、ソフトウェア開発、データ処理、情報システム統合、技術サービスが含まれる。最近の中国側資料は、中体骏彩をスポーツ宝くじ制度への技術サービス事業者と位置付けている。

ただし、この関係を評価する際には慎重さが必要だ。HKJCの合弁会社が現在、全国スポーツ宝くじのどのシステムを実際に運用しているかを特定できるだけの公的情報はない。

それでも会社は現在も存続している。HKJCの中国本土での活動が、競馬やホスピタリティだけでなく、10年以上にわたり技術分野にも及んできたことを示す。

異なる形の市場拡大

これらは、HKJCが中国本土の賭博事業者になろうとしていることを意味しない。重要なのは、むしろその逆だ。

HKJCは市場の制約へ正面から挑むのではなく、その範囲内で成立する中国本土戦略を構築してきた。

広州では競馬・馬事インフラ、北京と深圳では会員制度とビジネス関係、大湾区では観光と人の流れを築く。スポーツ宝くじの領域には、ほとんど論じられてこなかった長年の技術的な接点も残る。

個別に見れば、どれも小規模な活動に映るかもしれない。しかし全体として見れば、HKJCの中国本土での存在は、もはや従化だけではない。約20年をかけて積み上げた資産と関係のネットワークである。

ARCHIVE UPDATED · 11 SEP 2026